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嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」

第2章:森や林の主な動物たち

第1節:森林の動物と四季の変化

5.樹上の住人たち

 私たちが雑木林を見る目線は、林の一番低い部分であることがほとんどです。木の上のことなど、あまり気にしたこともないでしょう。ですが、樹上にはふだん目にすることのない、実に多くの動物たちがくらしています。たとえば樹上の動物として良く知られたムササビ。夜行性で主に木の葉を食べ、大木にできた樹洞をすみかにしています。そのため木から木への移動に「滑空」という、空中をグライダーのように移動する方法を身につけました。樹上性のチョウでは、森の妖精といわれるゼフィルスの仲間が知られていますが、嵐山町の雑木林でもオオミドリシジミやアカシジミなどの種類が初夏の頃に多く見られます。また、クダマキモドキやヤブキリなどのキリギリス類やヤママユガ類などの幼虫も樹上の住人たちです。

 
  • ミスジマイマイの写真
    ミスジマイマイは樹上で生活し、雑木林や家の庭、公園などでごくふつうに見かける...全文
  • ムササビの写真
    ムササビは北海道を除く日本各地の森にごくふつうにすみ、日の入り後20〜30分すると...全文
  • ミズイロオナガシジミの写真
    ミズイロオナガシジミはあまり目立たないチョウですが...全文
 

ヤママユガの写真
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日本最大のガは沖縄県に生息するヨナクニサンですが、嵐山町で最大のガはこのヤママユガです。志賀地区や鎌形地区など、山沿いの地域でたまに見られます。天蚕とも呼ばれ、冬の雑木林では、淡い緑色のマユを発見します。天からいただいたカイコの意味があり、良質の絹糸として活用されています。

 
  • ヒメヤママユの写真
    秋もまっ盛りの10〜11月...大型のガを発見したら、まずこの「ヒメヤママユ」であると推定し...全文
  • ヤママユガの幼虫の写真
    陽光に透かしたヤママユガの幼虫はとても美しく、さわやかです。飼育の際は...全文
  • オオミズアオの写真
    5月、森の中で水色の大きなガを発見することがあります。オオミズアオは...全文
  • サトクダマキモドキの写真
    サトクダマキモドキは雑木林などの樹上にすむ大型のキリギリス...全文
  • ヤブキリの写真
    ヤブキリは、小さな幼虫の時には草はらにいますが、成虫になると樹上で暮らす...全文
  • コロギスの写真
    コオロギのような、キリギリスのような姿をしていることから、「コロギス」という名前が...全文
 

コラムCOLUMN

右巻き、左巻き(ヒダリマキマイマイ)

ヒダリマキマイマイの写真 カタツムリには、右巻きと左巻きの種類が知られています。一般的には右巻きの種類が多く、関東地方ではミスジマイマイが代表的です。左巻きの種類はヒダリマキマイマイです。山地にはチャイロヒダリマキマイマイやめずらしいミヤマヒダリマキマイマイという種もいます。巻き方の見分け方は、図のように貝がらの口が正面に見えるように向け、中心より右側に貝がらの口があれば「右巻き」、左側にあれば「左巻き」の種類となります。身近な場所でカタツムリを見つけたら、よく観察してみてください。きっと今までとは違ったカタツムリに出会えるでしょう。

貝の巻き方のイラスト貝の巻き方
A:右巻き B:左巻き