嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」
第2章:森や林の主な動物たち
第1節:森林の動物と四季の変化
14.地中に潜る獣たち
アズマモグラは大型のモグラで、前足の手のひらが大きく、爪も太く長くなっています。雑木林の周辺以外にも、田畑や芝生、庭などで良く見られます。 土の中を主なすみかとしている獣たちがいます。それはモグラやネズミの仲間です。特にモグラの仲間は、地中生活に適した体をしています。四肢(前足、後足)や尾が短く、目と耳がきわめて小さく、エサさがしをする吻が発達しています。雑木林の林床にはよく、このモグラが作った塚を見かけます。また昔からよく知られたキツネも、実は林の中などによく巣あなを作り子育てをする獣です。体つきや前足の形はイヌに似ていて、とてもあな掘り上手には見えません。しかし、キツネはあな掘りの名人なのです。巣あなの構造は複雑で大規模。大きいものではあなの数が10個以上に達し、内部はトンネルが複雑につながっています。キツネは一度に3〜7匹の子を産みますが、おとなになる前に死んでしまうものも多いようです。
越畑地区の雑木林斜面に掘った巣あな。手前にはノウサギの骨が見えます。このほかに全部で12くらいの入り口があります。また、近くの畑ではキツネの子がよく遊んでいます。
ヒミズは体つきがより小型で、前足も小さいモグラです。おもに丘陵地から山地にかけてすんでいます。アズマモグラより小さいトンネルを、浅いところに掘ります。
アカネズミは目が大きい、赤味を帯びた野ネズミです。おもに林の縁から草はらにかけての地中に巣を掘り、夜地上に出てエサをさがします。
キツネは農村から原野、山地など広い範囲にすんでいる身近な動物のため、民話にもよく登場します。話の中では悪役にまわることが多いようです。おとなのキツネは体長約70センチメートル、尾も長くて約40センチメートルくらいで、尾の先端が白いのが特徴です。拡大画像