嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」
第2章:森や林の主な動物たち
第1節:森林の動物と四季の変化
4.幹に見られる動物たち
シロスジカミキリは昔はごく普通にみられましたが、最近では...全文
木の幹には、樹液が出ていなくてもいろいろな動物が見られます。コナラやクリなどの幹に、ぐるりと一周かみ傷がついているのを見たことがありますか?これはシロスジカミキリという、とても大きなカミキリムシが産卵した跡で、健全な雑木林に見られるものです。幹に樹洞(うろ)と呼ばれるちょっとしたあながあいていれば、そこにはカマドウマやヤマトゴキブリなどがすみ付いています。また、冬でも陽だまりの幹にはハエ類がとまっているのを目にしますし、ケヤキなど樹皮がめくれあがったものでは、隙間にさまざまな動物が越冬しています。
樹液が出たあとや、部分的に朽ちたところに樹洞(うろ)ができます。木の幹にあいた洞穴といったところでしょうか。こうした場所には、ゴキブリやカマドウマのほかにもカミキリムシのめずらしい種類などが生息しています。沖縄県に分布している国指定天然記念物のヤンバルテナガコガネや、本州にも生息するオオチャイロハナムグリなどは、樹洞を生息場所とする昆虫として特に有名です。
冬越しも幹で
樹皮の隙間に、カメノコテントウが冬越しのためにもぐり込んでいます。体の大きさは約1センチメートル、嵐山町で見られるテントウムシの中では最大です。
ケヤキのように樹皮がはがれやすくなっている樹木は、冬越しのため様々な動物が利用します。甲虫類やカメムシ類などの昆虫類、ムカデなどの多足類やカニグモの仲間などが良く見られます。写真はヒメカメノコハムシの越冬集団です。