嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」
第2章:森や林の主な動物たち
第1節:森林の動物と四季の変化
9.付子 へんてこな木の実の正体
ふつうは付子というと、このヌルデノミミフシのことを指します...全文
嵐山町あたりではヌルデの木のことを「お歯黒の木」と言います。お歯黒とは、昔の女性が歯を黒く染めた風習のこと。お歯黒をするには、このお歯黒の木につく「付子」という虫こぶを使います。付子は付子の実や五倍子とも呼ばれ、お歯黒のほかにも染料や薬として古くから用いられていたものです。嵐山町周辺でも昭和20年頃までは、近所の山から採ってきた付子を平かごに並べた天日干しが見られたそうです。
虫こぶとは、昆虫が植物の一部を変形させたものの総称で、昆虫たちは幼虫の餌や住みかとしてこれを利用します。ヌルデにつく付子は、良く知られたヌルデノミミフシのほかにも、枝状の形をしたヌルデノハナフシという種類が知られていますが、これは非常にめずらしくなかなか見つかりません。
嵐山町内でヌルデノミミフシとヌルデノハナフシが確認された地点...[全文]
ヌルデノハナフシはエダフシアブラムシの一種がつくる特異な虫こぶ...全文
エゴノネコアシアブラムシがつくった虫こぶ。ネコアシとは...全文
兵隊アブラムシの研究で有名な立正大学の青木重幸博士が、ヌルデノハナフシを調査されています。とても珍しいもので、埼玉県ではこれまで1度しか見つかっていませんでしたが、嵐山町では平沢地区と鎌形地区の山沿いで見つかりました。