嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」
第2章:森や林の主な動物たち
第1節:森林の動物と四季の変化
16.林内、林縁に見られる動物たち
コジュケイは中国南部原産の鳥で、日本では大正年間に中国から輸入して放鳥したのがはじまりです...全文 林内のうす暗い場所や、アズマネザサ(シノ竹)でおおわれたヤブなどは、人もあまり近づきませんし、動物たちが身を隠すにはもってこいの場所です。ウグイスなど小さな鳥たちはヤブの中を好んで飛びまわり、時には林縁にコジュケイが群れで姿を見せることもあります。昆虫類でもカトリヤンマやヒカゲチョウ、ゴイシシジミなどは暗い場所を好んで生活しています。林縁ではまた違った生きものたちが姿を見せてくれるでしょう。ここから少しの間は、そうした林内や林縁を好む動物たちを紹介していきましょう
ガガンボは蚊を大きくしたような昆虫です。そのなかでもミカドガガンボはとても大きく、日本最大のガガンボです。やや湿った場所を好んで生活し、雑木林の縁など木々に囲まれた湿地の空間を飛ぶ姿が印象的です。
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初夏の林縁でよく見かけるキンアリノスアブは、好蟻性で...全文 雑木林や屋敷林などの周囲で、陽のあたる下草や低木の葉にはハエ類がよく見られます。初夏から秋にかけては小さなマダラアシナガバエが特に多く、林縁を飛ぶセスジハリバエやヨコジマオオハリバエなど大型のヤドリバエ類、アリノスアブの仲間やホソヒラタアブ、フタホシヒラタアブなどのハナアブ類もよく目にします。また大平山など山地の雑木林内では、木漏れ日のあたる低木の葉に多数のシロオビハリバエがとまっているのを見ることが出来ます。晩秋から春にかけての陽だまりの林縁では、オオクロバエ、ケブカクロバエやアシブトハナアブなどが多いようです。また、早春にはビロウドツリアブも多く見られます。
- 雑木林の林縁にある陽あたりの良い場所。いまにもハエ類が飛び出しそうです。
最近、耕作されない畑や手入れがなされない林でクズが増えています。こうした場所にはイノシシが...全文
手入れされなくなった雑木林では、林縁をクズやフジなどがおおっています。すると、こうした場所を好む動物たちが集まってきます。クズの根を好んで食べるイノシシは、嵐山町でも山沿いの地域に見られます。雑食性でサワガニやミミズなどの動物も食べますが、農作物も荒らすので農業害獣として嫌われているようです。日当たりのよい林縁では、カナヘビがじっと獲物を持っているのを見かけます。目の前に現れる虫を捕らえて食べますが、ときには日なたぼっこをしていることも。林縁にはササキリやクツワムシといったキリギリス類や、カメムシ類、甲虫類などたくさんの昆虫も見られます。
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