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嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」

第2章:森や林の主な動物たち

第1節:森林の動物と四季の変化

10.私たち、枯れ木がすみかです

立ち枯れの木の写真雑木林の中にぽつんとある立ち枯れ。林の手入れが行き届かなくなると増えてきます。倒れてくると危ないのでふつうは倒してしまいますが、動物たちの生活を考えると、こうしたものもある程度残しておいてあげたいものです。

 雑木林の動物たちは、じつに様々な場所で暮らしています。なかには枯死してしまった立ち枯れの木も生活の場の一つとして、立ち枯れの木で良く見かけられる動物もいます。たとえばキツツキの仲間は、木の中に潜む虫たちを探したり、巣あなをあけて子育てに利用したりもします。木の表面に昆虫類が見られることも多く、カミキリムシなどは産卵のためにたくさん集まることもあります。また、枯れ木の内部をカミキリムシやボクトウガなどの幼虫が食べていると、それにヒメバチやコマユバチなどのハチ類が寄生します。これらのハチに見られる細長い産卵管は、外から突き刺して産卵するためのものです。このように、人にとっては無用の立ち枯れも、いくつかの動物たちにとっては大事な生活の場となっているようです。

 
  • キツツキの巣穴の写真
    木の幹にあけられたキツツキの巣あな...全文
  • コゲラの写真
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  • キマワリの写真
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