5.鬼鎮神社節分祭|村の行事,現在の行事
まめまき。大勢の年男が「福は内、鬼は内、悪魔外」と声を張り上げ、参詣者に福豆、みかん、団子などを投げます。
鬼鎮神社は畠山重忠が菅谷館を構えるにあたり、鬼門(きもん)よけとして祀ったといいます。近在の人たちには知れ渡っていて「菅谷の鬼鎮様」といって親しまれています。力強い鬼の神様なので除災招福(じょさいしょうふく)の神として信仰されています。鬼は鉄棒(てつぼう)を持って邪悪なものを鎮めるので祈願者が鉄棒を奉納しています。
特に、節分祭は参詣者でごったがえします。神楽殿では神楽が行われ、「恵比寿大黒舞」には餅を投げます。赤鬼、青鬼、年男が「福は内、鬼は内、悪魔外」といい、福豆、みかん、団子などを投げます。それをもらおうとする参詣者で境内は騒然となるくらいです。鬼鎮神社の授与品は鉄棒を持った赤鬼青鬼の小絵馬、開運厄除守、福豆、金棒守、鬼鎮神社神札です。
お神楽。以前は神楽殿で「鹿島香取の舞」、「天児屋根命の舞」、「恵比寿大黒舞」などが行われました。
鬼鎮神社参道。正面が本殿。
節分には、露天商が多く出て賑います。
鬼鎮神社のお札。
鬼
【春を待つ風景】
鬼というと、節分のことがすぐ浮かびますが、鬼鎮様に鉄棒を奉納することがあるように、「鬼に金棒」とか、「鬼のいぬ間に洗濯」とか、「鬼の霍乱(かくらん)」などと、日常生活でもしばしば使われます。子どもの遊びでも鬼ごっこというポピュラーな遊びもあります。節分の鬼は豆で追い払われる存在ですが、「鬼の霍乱(かくらん)」の鬼は強い人というような意味があります。鬼の意味は歴史的に変遷し様々な意味付けが行われてきました。
本殿の周囲には、赤鬼と青鬼が鉄棒を握っている絵馬がびっしり下げられています。鬼が鉄棒で邪悪なものを鎮めてくれるので、「祈ればかなう」といいます。
本殿の周囲には数多くの鉄棒が奉納されていました。戦時中の金属類回収に多数供出されたこともありました。