嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
2.平沢の不動様|村の行事,現在の行事
平沢の不動様は正月二十八日と十月二十七日が縁日(えんにち)で、縁日には護摩(ごま)を焚(た)きますが、お犬様のお札(ふだ)と不動明王(ふどうみょうおう)のお札を出すのは、正月だけです。お犬様のお札を出すのは、お犬様が不動様の御眷属(ごけんぞく)だからです。お犬様のお札は盗賊よけのために玄関に貼っておきます。不動様は商売の神様でもあるといい、商人も多く参詣したといいます。病気が重くなったときには、護摩を焚いてご祈祷(きとう)してもらったりもしたようです。そして、病気が治ると「お百度を踏む」といい、不動堂の周りを百回廻ったそうです。
雪が降ったときにはお犬様の足跡があったとか、子供が泣いたりすると「ほれ、お犬様がくるぞ」などといったりしたそうです。
春の平沢不動堂
【春を待つ風景】
正月の二十八日の不動様の縁日は、まだまだ寒い時期です。そんな中でも、参詣してくる人たちは大勢います。そして、護摩が焚かれ、ご祈祷が行なわれ、その火の暖かさが恋しいくらいの陽気の縁日です。最近は露店が出ることもなくなりましたが、以前は多く出ていましたし、講もあり、その賑いがしのばれます。