嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
COLUMN
3.コラム:お犬様
秩父地方のお犬様
秩父地方はお犬様との関わりが深く見られます。長瀞町の宝登山(ほどさん)、皆野町の蓑山(みのやま)、横瀬町の武甲山(ぶこうざん)、荒川村(現 秩父市)の猪狩山(いかりさん)、吉田町(現 秩父市)の城峰山、両神村(現 小鹿野町)の両神山(りょうがみさん)、大滝村(現 秩父市)の三峰山(みつみねさん)などの山があり、神社が祀られています。そして、それぞれの神社の御眷属(ごけんぞく)がお犬様となっています。
お犬様は山の神のお使いで、想像上の生き物ともまた、実在した狼(おおかみ)のこととも考えられています。お犬様の信仰は主に火防や盗賊よけです。
お犬様とオオカミ
狼という動物については、埼玉県内だけでもさまざまな話が伝承され記録されています。送り狼の話や、人が狼を助けて、狼から贈り物を受けた話、狼がお産する場所には赤飯を供えたりする話などがあります。そして、狼のことは「お犬様」といい、ただの動物ではなく、神様として考えてもいました。特に、山の神と関わりの深い動物として考えていました。