第2章の春から夏は、木々が芽吹き、次第に緑の濃さを増しながら季節が著しく移り変わる時期です。麦の収穫から田植、養蚕と農作業が1年で最も忙しくなる大切なときであり、この季節を無事に乗り切るために人々の健康が維持されなければなりません。第1節から第2節までは本格的な農作業の開始を前に、神仏に豊作を願い、人々が春を謳歌し、鋭気を養うという性格の行事や祭りが目白押しです。第3節は八十八夜を過ぎていよいよ農繁期を迎え、慌ただしさのなかにも初夏のさわやかさが感じられます。第4・5節は、梅雨から盛夏にかけて行われる、疫病の流行を防ぐための行事や祭りが中心となっています。