嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
COLUMN
10.コラム:他地域の流鏑馬
■流鏑馬の県内分布
1 | 児玉八幡神社(本庄市〈旧 児玉町〉) |
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2 | 秩父神社(秩父市) |
3 | 角山八幡神社(小川町) |
4 | 大塚八幡神社(小川町) |
5 | 鎌形八幡神社(嵐山町) |
6 | 春日神社(ときがわ町〈旧 玉川村〉) |
7 | 萩日吉神社(ときがわ町〈旧 都幾川村〉) |
8 | 三島神社(鳩山町) |
9 | 春日神社(越生町) |
10 | 出雲伊波比神社(毛呂山町) |
11 | 熊野神社(日高市) |
12 | 氷川神社(さいたま市〈旧 大宮市〉) |
13 | 美女木八幡神社(戸田市) |
※●色は現行の神社
他地域の流鏑馬
埼玉県で現在流鏑馬が行われているのは、入間郡毛呂山町の出雲伊波比神社(いづものいわいじんじゃ)と比企郡ときがわ町(旧 都幾川村)の萩日吉神社(はぎひよしじんじゃ)です。出雲伊波比神社の流鏑馬は、古くは九月二十九日で、後に十月二十九日になり、今は十一月三日に行います。この流鏑馬は「古祭礼」とか「平国の流鏑馬」といいますが、近郷では、流鏑馬で発する掛け声から「毛呂のホイホイ祭り」と呼びます。萩日吉神社の流鏑馬は、十一月二十六日でしたが、現在は三年に一度、一月十五日に行います。流鏑馬は、旧明覚(みょうかく)村と旧大河(おおかわ)村(現 小川町)の木曽義仲の家臣と伝えられる旧家が奉納します。流鏑馬は、ほかに一○か所で行われていましたが、比企・入間に多く分布します。
流鏑馬の作法
流鏑馬は、初めに祭典が執行され、それが終わると馬場で競技に移ります。的は方形の板に模様を描き、これを忌竹(いみだけ)に挿して立てます。的の数は三つで、一人の騎手が三本ずつ矢を射るようにします。流鏑馬は、的の当たり方でその年の豊凶を占うといった年占的性格も備えています。馬上の騎手が射った矢は、的に命中すればこわれてしまいますが、的をはずれたり空中に放った矢は観客が先を争って奪い合います。この矢を持ち帰ると豊作になるとか、厄よけになるといわれています。