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嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】

7.火伏せの祭り|村の行事,現在の行事

おいばね「焼かん講」|写真
おいばね「焼かん講(やかんこう)」。嵐山町大蔵の38軒が講員となり、例年1月4日に行われる火伏せの行事です。T家の前に柱を立て、その上にコボハルサマと称すお宮を祀ります。柱の下部には、榊と竹を飾って祭壇を作ります。

 師走に入り秩父おろしが吹き始めるころになると、乾燥した日々が続き、火災の起こりやすい季節になります。
 火伏せに御利益があるといわれる愛宕(あたご)信仰は、京都市北西部にそびえる愛宕神社を本社とする信仰です。
 例年十二月二十四日は愛宕様の日で、嵐山町越畑では酒を一升持って愛宕神社にお参りします。参拝から帰ると、地域の忘年会が行われ、この席では消防士が上座につくようにしました。昭和五十年ころまでは、忘年会の翌日から三軒一組になって夜警が行われました。夜中の十一時と一時に鐘を鳴らしながら夜回りし、「御用心ない(なさい)」と一軒ずつ声をかけ、返事があるまで呼びかけたものでした。夜警は開始後オシメリがあるまで続ける習わしでした。

団子作り|写真 6人の当番が講員から5合ずつ米を集め、団子を作ります。団子は飯台(はんだい)に入れて祭壇に供え、神主が拝みます。

代参|写真 かつては団子投げが行われましたが、今は袋に入れて配ります。なお、この日のために、暮れのうちに古峰神社(こみねじんじゃ)まで代参が出掛け、御札を受けてくる習わしです。

愛宕神社|写真 越畑の愛宕神社

お手長様(てながさま)

【冬の祭りの風景】

 火防・盗賊除けとして霊験(れいけん)あらたかである壱岐天手長男(いきのあまのたながお)神社は、「お手長様」として近郷近在で厚く信仰されています。大里・児玉を中心に「手長講」が組織され、例年九月から翌年三月にかけて各地から代参が行われます。代参に訪れた人びとは、境内裏手の杉の根元から「お砂」をいただき、家の周りにまいて火難除けを祈願します。

お手長様本社|写真
お手長様本社。(寄居町)

菅谷神社のお手長様|写真 菅谷神社のお手長様。

志賀八宮神社のお手長様|写真 志賀八宮神社のお手長様。

手長様の御札|写真 手長様の御札。