嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
8.冬至|家の行事,現在の行事
たわわに実った柚子の木。
冬至は北半球で昼の時間がもっとも短く、太陽の光線がいちばん弱まった状態になり、新暦では十二月二十二日前後にあたります。この日を過ぎると昼の長さが日ごとにのびるので、古くから冬至を祝う風習があります。すなわち、冬至を陽気回復の契機として大いに飲食し、暗澹な気持ちを払拭しようとするものです。冬至には県内全域にわたってとうなす(南瓜)を食べる習わしがみられます。県南部を中心に、「冬至、とうなす、こんにゃく」という言葉が定着しており、北部ではとうなすと柚子になります。嵐山町周辺では、とうなすのほか、けんちん汁を食べるところもあります。
南瓜。「冬至とうなす」といわれるように、とうなすを食べる地域は多く見られます。
こんにゃく。1年の(体の汚れの)払いをするためといわれています。
冬至の水のびん。柚子をびんに詰め、生紙に密封して荒神様に1年間供えます。
柚子湯。冬至には柚子湯に入ります。柚子は、縁の下に放り込めば邪気を払うといわれています。
柚子
【冬の祭りの風景】
冬至は日照時間が短く、本格的な寒さをひかえた時季のせいか、火防や健康にまつわる伝承が多くみられます。たとえば、柚子湯につかれば中気にならないとか、風邪をひかないなどといわれています。また、柚子を縁の下に投げ込むと疫病よけや風邪よけ、あるいは火事にならないともいわれています。