嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
3.オカマ様|家の行事,畑作の行事
オカマ様は、十月を中心に祀られます。このころは風が吹くことが多く、オカマ様がオカマ風に乗ってくるともいわれています。オカマ様は恵比須・大黒様のそばに祀っていると考えている家が大半ですが、勝手許に注連(しめ)を張ったり、竈(かまど)の前に注連や幣束(へいそく)を飾ってオカマ様を祀る家もみられます。
オカマ様は子だくさんで、良縁をもたらす神様だという伝承もあります。神無月(かんなづき)でも子どものことが気になって、十五日には必ずもどってくるといわれています。
なお、稲の収穫にあたって、初穂をひとつかみオカマ様へ供える家もあります。
ハツオカマ・ナカオカマ・シマイオカマ
【冬の祭りの風景】
嵐山町越畑では旧暦九月三十日がショテオカマ、十月十五日はナカテオカマ、そして十月三十日がオクテオカマで、それぞれオカマ様にぼた餅を供えました。むかしから、娘がオカマ様にぼた餅を供えるとよいところへ嫁に行けなくなるといわれていました。広野では、ハツオカマ・ナカオカマ・シマイオカマといい、三六個か三八個のぼた餅を作ります。