嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
COLUMN
6.コラム:カワビタリ
十二月一日は「川浸り朔日(ついたち)」といい、埼玉県内ではカワビタリとかカビタリと呼んでいます。この日、餅や汁粉、あるいは団子やまんじゅうなどの粘りものを作って水神様に供えると水難に遭わないと伝えられています。
ちょうどこのころは稲の収穫が一段落するころで、水の恵みに感謝するとともに、水神様に翌年の加護を祈願する点も考えられます。西日本では、十二月一日を「乙子の朔日」と呼びますが、これは一年の最終月という意味であって、その年のしめくくりと新しい年を迎えるための禊(みそぎ)ととらえることができます。