嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
5.新嘗祭|村の行事,現在の行事,稲作の行事
新嘗祭は、新穀(しんこく)を神に供えて無事に収穫したことを報告・感謝する祭りと考えることができます。嵐山町越畑では十一月二十三日に、その年収穫した米で炊いたご飯を大神宮様、氏神様、恵比須・大黒様、オカマ様に供えます。
大師講(だいしこう)
【冬の祭りの風景】
天台宗の寺では、開祖の智者大師の忌日に天台会を営みます。関東や東北では歴史上の高僧に関係なく家の行事として小豆粥や団子を作ります。嵐山町ででは、大師講に小豆粥を作りますが、十一月四日のワセダイシには栗、十四日のナカダイシは小麦、そして二十四日のオクダイシは米の団子を入れました。このことは、稲作や畑作の収穫を祝ったものと考えることができます。
大師講のはなし
大師講は、11月の4のつく日に行われます。この日は大師粥を作ります。粥の中には団子を入れますが、11月4日は粟、14日は小麦、そして24日には米というように順次団子の材料の種類を変えるようにしました。こうしてみると、大師講は稲の収穫祝いであると同時に、畑作の祝いでもあるというようにとらえることができます。
この日の天候によって作物の豊凶を占う風があり、天気がよければ粟・小麦・稲の出来がよいと占っていたということができます。