嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
3.女遊び|村の行事
女遊びの一日
男遊びの翌日が女遊びです。男遊び同様に宿は毎年個人宅の回りもちでした。新しく嫁いで来たお嫁さんを披露する機会でもありました。宿になる家では女遊びにつきものの草餅や砂糖団子を作るため、米や小豆を集めて回りました。一口は米五合に小豆二合ですが、多い家では四口も五口も頼んだということです。
米の粉は昔は石臼で挽きました。当日の朝、宿の隣近所の人が集まってきて準備がはじまります。太郎丸ではメカイ籠(かご)をもって野菜をもらってあるき、汁の具にしました。地元ではこれをホウガ(奉加)にまわるとよんでいました。
草餅は、熱湯でねった米の粉に、ゆでた蓬(よもぎ)をこねまぜて蒸したもので、あんをくるんだり、黄粉(きなこ)をまぶしたりして食べます。砂糖団子は、米粉を熱湯でねって蒸したものをちぎって、あんで絡めて食べるものです。
女遊びは母親の集まりだから幼い子供たちも参加しました。また、余興に「ポッピキ」(宝引き)と呼ばれる賭事(かけごと)をしました。これは、人数分用意した紐の一本に穴あき銭を結び付けて車座になっていっせいに引き当て、賭けた小銭は当たった人がもらえるというものです。大正時代のはじめ頃までは盛んに行われていたということです。