嵐山町web博物誌・第4巻「嵐山町の原始・古代」
6.縄文の道具・石器
石の道具たち
電気や動力に頼らない、手だけで扱う道具というと、何が思い浮かぶでしょう。畑仕事の鍬(くわ)や鎌。金槌、鑿(のみ)、錐(きり)などの大工道具。台所の包丁やカッターナイフは最も身近でしょう。
こうした道具は、何かを作ったり、加工したりするときの基本の作業に関わるものです。そしてこれらはみな金属製ですが、ほとんどは、その原型が縄文時代にすでにでき上がっていました。
縄文人たちは、最後まで金属の道具を使うことはありませんでした。そのかわり、技を駆使して、金属にも劣らない石の道具を生み出しました。
遺跡から出土する石器を調べると、時期や地域によって組み合わせと数量に違いがあることがわかります。生活に直結する道具ですから、石器の種類の違いは、縄文人の暮らしぶりの違いをそのまま投影しているのです。