嵐山町web博物誌・第4巻「嵐山町の原始・古代」
3.服装と装飾品
石棒
- 土偶(雉子山遺跡出土、東松山市教育委員会蔵)
- 後期の筒形土偶の頭部です。頭の髪を束ねて巻いている様子がわかります。顔には入れ墨を表現した2本の沈線が描かれています。
- 土偶(三ノ耕地遺跡出土、吉見町教育委員会蔵)
- 後期の土偶の頭部です。目、口、耳が同じ円形の表現で、ミミズクの顔に似ているところからミミズク土偶と呼ばれています。
- 漆塗り櫛(後谷遺跡出土、桶川市立歴史民俗資料館提供)
- 後期〜晩期の赤漆塗りの櫛です。長さ14.3cm。縄文時代の櫛は、前期から晩期の遺跡で出土しています。櫛の作り方は、タケや細い木の棒を紐でしばり形を整えてその上に漆を塗って仕上げています。
- 六丁遺跡出土腕飾り
- 乳白色の半透明な石で作られた腕飾りです。
- 縄文人の復元図
- 縄文時代の男性の服装を復元しました。衣類は植物繊維で編んだ貫頭衣のような服を着て、首飾りや腕飾りをつけていました。頭の髪は丸く上に束ね、顔に赤い顔料で入れ墨をして化粧しています。
- 蛇紋岩(じゃもんがん)製大珠(たいじゅ)(行司免遺跡出土)
- 蛇紋岩製の首飾りです。長さ7.25cm、幅3.3cm、厚さ1.8cmで、中央に直径7mmの小さな孔があります。
- 蛇紋岩製垂飾(吉見町三ノ耕地遺跡出土、吉見町教育委員会蔵)
- ヒスイによく似た色の蛇紋岩を使っています。直径1cmほどです。
縄文ファッション
衣服とアクセサリー
縄文人の衣服については、まだ発見例がありません。けれども装飾品の類は、遺跡からはよく出土します。
粘土や石で作ったイヤリング、美しい石のペンダント、石や貝殻のブレスレット、漆塗りの飾り櫛、鹿の角に細かく彫刻した簪などなど・・・。アクセサリーに凝り、髪型に気を使う縄文人の姿を見てみたいものです。
土偶には、時期によっては、衣服をそのまま模したのではないかと見られる文様が施されています。足に草履の鼻緒のような線が描かれているものもあります。角や骨で作った縫い針も見つかっていますので、たぶん服装にも、とてもこだわっていたことでしょう。
土偶
- 三ノ耕地遺跡出土植物繊維製品(吉見町教育委員会提供)
- 水場遺構で発見されました。植物繊維を袋状に編んだ製品のようです。トチの実の灰汁抜きなどに使われたものでしょう。
- 行司免遺跡出土耳飾り
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中期の土製耳飾りが63点出土しています。直径0.5cm〜3.5cmの大きさがあります。耳朶に穴をあけてはめ込むピアス式の耳飾りです。孔のあいたもの、文様のあるもの、赤く塗られたものなどがあります。 - 桶川市後谷遺跡出土ミミズク土偶(桶川市立歴史民俗資料館提供)
- 耳に細い木の棒が刺してあり、耳飾りを付けているようです。
- 三ノ耕地遺跡出土耳飾り(吉見町教育委員会蔵)
- 後期〜晩期。透し彫りや赤く塗った耳飾りがあります。大形品は3cm以上です。