嵐山町web博物誌・第4巻「嵐山町の原始・古代」
2.祈りの道具
石棒
石棒と土偶
繁栄の象徴
縄文時代の代表的なマツリの道具です。石棒は、男性性器の形をしています。広場のマツリの場とおぼしき所に立てられたり、住居の一隅に立てられている例が知られています。
一方の土偶は、ひとがたです。たいていに乳房がつけられ、腹の膨らみを強調するものもあることから、妊娠した女性と見る研究者も少なくありません。
しかし、どちらも形はとても抽象的なので、人間の男女というよりもむしろ、自然界全体の雄と雌の表現ととらえる方が理解しやすいように思われます。食料となる獣の繁殖、植物の豊かな実り、子孫の健やかな成長、どれにも共通するからです。これらの願いを託す生命力の象徴だったのでしょう。