嵐山町web博物誌・第3巻「嵐山ジオロジア」
第3節:海が広がった時代
3.グリーンタフ活動のおわり
― 緑色化していない海底火山灰層
荒川層の凝灰岩
嵐山町越畑(おっぱた)の荒川層には越畑凝灰岩層が挟まれています。厚さ2〜15mの数枚の凝灰岩層と泥岩層、砂岩層が互層をして全体で100m位の厚さがあります。
地元では越畑石と呼ばれ、石材として利用していました。
これは軽石を含む白色の凝灰岩で、変質作用は受けておらず、顕微鏡で見ると火山ガラスがそのまま残っています。
凝灰岩に含まれるジルコンという鉱物を利用して年代を測定すると約1600万年前という値が出ています。
福田層の凝灰岩
福田層は比企丘陵の北部から北東部に分布する凝灰岩質泥岩を主とする地層ですが、その中にはしばしば凝灰岩層が挟まれ、厚いものでは古姓凝灰岩層(こしょう ぎょうかいがんそう)、古里凝灰岩層、高根凝灰岩層などがあります。
地質年表
嵐山町古里の老人ホームの土台の岩石は厚さ30mの古里凝灰岩層です。古里凝灰岩層の火山ガラスは変質しておらず、そのまま残されています。
凝灰岩に含まれるジルコンの放射年代を調べると、およそ1500万年前という値が出ています。
荒川層の凝灰岩、福田層の凝灰岩が変質していなく緑色化していないのは、荒川層堆積以降は熱水の影響が無かったことを意味しています。
- 古里凝灰岩層
- 古里の老人ホームの建物基礎部分に露出している古里凝灰岩層です。灰白色で塊状の凝灰岩層です。
- 古里凝灰岩層の接近写真
- 古里凝灰岩層は細粒凝灰岩で非変質、火山灰のガラスが残されており、新鮮です。
第3節:海が広がった時代