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嵐山町web博物誌・第3巻【地質編】

第2節:グリーンタフ時代の嵐山町

第2節:グリーンタフ時代の嵐山町

新第三紀の日本は「島弧*1の時代」の始まりです。それまでの日本の地史にくらべ、現在私たちが島弧を考えるときのキーワードとなっている「縁海」・「海溝」・「深発地震面」・「火山フロント」などの言葉が重要な意味をもってくるからです。
新第三紀は島弧が出現し成長・発展した時代といえます。

こうした中で、新第三紀中新世という時代になると、日本各地で激しい海底火山活動を主とする地殻変動がはじまりました。
この地殻変動は地域によって多少の違いはあっても、火成活動や堆積盆地の発生、その後の発展過程に共通した点が多く、相互に関連し合っていることからグリーンタフ変動とよばれています。

この変動を象徴する岩石は、グリーンタフ(緑色凝灰岩)と通称されています。グリーンタフは海底火山の噴出物が変質を受けて緑色になっている岩石です。

日本列島においては、このグリーンタフ変動が激しく進行した地域(グリーンタフ地域)と変動の弱い地域(非グリーンタフ地域)が区分されます。
上のグリーンタフ地域図を見ると、埼玉県は非グリーンタフ地域になりますが、嵐山町に分布する七郷層・滝層・畠山層などの地層は、岩相的にも年代的にもグリーンタフと認定できるため、ここではグリーンタフとして紹介します。

嵐山町がグリーンタフ地域に含まれるかどうかは、今後の研究課題です。

*1:島弧(とうこ)…現在の日本列島の様に、弓状に連なった島々のこと。

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