嵐山町web博物誌・第3巻【地質編】
第2節:グリーンタフ時代の嵐山町
3.本格的な海底火山活動
地質年表
地質時代の新第三紀中新世という今から2300万年から530万年ほど前は、日本では「グリーンタフ時代」と呼ばれ、東北日本を中心に海底火山が活発に活動していた時代でした。
嵐山町にも見られるグリーンタフのうち、最も典型的なものが吉田を中心に広がる吉田凝灰岩層(よしだ ぎょうかいがんそう)です。
この吉田凝灰岩層は、畠山層の中に含まれる凝灰岩層で、畠山層の大半を占めている厚い凝灰岩層です。
地図で黄緑色に塗られた部分がそれに相当し、花見台工業団地〜大立山(おおだてやま)を軸とした丘陵の東西の山裾に広く分布しています。厚いところでは300mに達します。
*1:ケイ化変質(けいかへんしつ)…二酸化ケイ素(SiO2)を多く含む熱水による変質をいいます。一般的に、この変質を受けた岩石は、白っぽく硬くなります。
吉田凝灰岩層は細粒で白色の部分もありますが、たくさんの軽石を含んでいることが多く、石材に用いられている大谷石(おおやいし)によく似ています。
大半は風化し茶色に変色していますが、滑川町伊古(いこ)の丘陵山裾に分布する吉田凝灰岩層は風化しておらず、緑色をしています。
顕微鏡で見ると、各種の粘土鉱物やモルデン沸石、輝沸石(きふっせき)、斜プチロル沸石などのグリーンタフによく見られる変質鉱物を豊富に含んでいることがわかります。
第2節:グリーンタフ時代の嵐山町