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嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」

第5章:人家周辺の主な動物たち

第1節:庭の生きものの世界

5.庭の周辺でエサあさりする動物たち

キツネの写真
キツネはもともと人里近くにすみ、田畑で主食のネズミを捕まえて食べていました。ただ、おくびょうなため、あまり人に目撃されることはありません。ところが最近...全文

生ゴミの写真庭先のゴミ捨て場には、じつに多くのハエ類あるいはチョウ類が集まります。最近はゴミ処理技術の向上で、こうした場所も少なくなりつつあります。  昔はどこの家にも、庭先にゴミ捨て場がありました。野菜クズや残飯などの生ゴミには、いろいろなハエ、アブの仲間が集まり、その周囲を飛びまわります。このような場所では、生ゴミを食べて生育するこれらの幼虫も見られますが、近年、各家庭からのゴミの出し方が改善され、こうしたハエ類の発生が押さえられ、だんだんと目にする機会が少なくなってきました。ところが逆に、増えてきた動物もいます。キツネやタヌキなど野生のほ乳類は、開発によりすみかを追いやられ、人家周辺にある残飯に依存するようになってしまいました。ゴミの集積所付近にはカラスやスズメも多く集まり、ゴミを散らかして問題になっています。人の生活がもたらした悲劇です。

 
  • タヌキの写真
    タヌキも人里近くに生息していた動物です。人里近くの山が開発されて追いやられると、市街地へも生息域を広げ、残飯などをあさるように...全文
  • オオハネカクシの写真
    ...オオハネカクシは...ウジが多い場所に集まってくるハネカクシです...全文
  • ハクビシンの写真
    ハクビシンは南方からの帰化動物と言われ、もともと日本にはいなかったようです。タヌキのように雑食性で果実類が大好物...全文
  • キンバエ類の写真
    キンバエ類が集まっています。生ゴミや動物の死骸には...全文
 
■疥癬症(かいせんしょう)について

最近は野生の獣と犬や猫などが接する機会が増え、ペットでよく知られていた病気が野生動物にも目立つようになりました。疥癬症は人間もかかることのある皮膚病で、全身の毛が抜け、地肌がむき出しになり、傷だらけで化膿してしまう恐ろしい病気です。「疥癬虫」と呼ばれるダニの一種が皮膚で繁殖することが原因ですが、激しいかゆみと傷口からの他の病気の進入で、たいていの動物は弱って死んでしまいます。このタヌキは交通事故で死んでしまったものですが、首には疥癬症の症状が見られました。

疥癬症にかかったタヌキの写真
 
  • 嵐山町辺りで見かけるカラスは、どれをみても黒くてみな同じように見えますが、実はハシブトガラス(左)とハシボソガラス(右)という2種類のカラスがいます。カラスは繁殖期には雌雄のつがいで生活しますが、それ以外の時期には一定の森を「ねぐら」として、そこにたくさん集まる性質があります。雑食性で、人家周辺や河原、農耕地などでエサをあさっているのをよく目にします。
  • ハシブトガラスの写真ハシボソガラスの写真
    両者のちがいとしては、ハシブトガラスはくちばしが太く、ひたいが大きく盛り上がっているのに対し、ハシボソガラスはくちばしも細くひたいの盛り上がりもありません。また...全文