嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」
第5章:人家周辺の主な動物たち
第3節:桑園、クリ畑の動物たち
1.蚕 かいこ
卵の大きさは1ミリメートル程度。産卵直後は黄色ですが...全文
日本人にとってもっともなじみ深い昆虫とは、おそらくカイコではないでしょうか。昔はどこの農家でも養蚕をしており、人が生活する場所まで使っていたので、そう言った意味ではどこでも見られる昆虫でした。
良質なまゆを作らせるには、飼育の際にきめ細やかな気配りが必要です。効率良く飼育するために、人はさまざまな道具や技術を生み出してきました。一年の間に何度も飼育できるカイコは、時期により「春蚕」や「夏蚕」、「秋蚕」など、区別して呼ばれます。養蚕農家では一年間の飼育計画を立て、エサとなるクワの管理もこれにあわせて行なっていました。カイコは短期間に成長するため、いったん養蚕をはじめると休むひまはありません。そのためお盆などの年中行事も養蚕にあわせて時期をずらしていました。それだけ、養蚕第一で大切にされていたということなのでしょう。