嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」
第5章:人家周辺の主な動物たち
第3節:桑園、クリ畑の動物たち
4.栗畑の動物
クリシギゾウムシはまだ若いクリの実に見られ、イガのすき間をぬって...全文
人家周辺には栗畑がつくられていることがよくあります。栗畑は雑木林と似ている部分もありますが、植えてあるのはクリのみで単調な植生です。そのため、そこで見られる動物の種類も、雑木林に比べるとあるていど限られます。
初夏には枝いっぱいに白い房状の花が咲き乱れ、たくさんの昆虫たちでにぎわいます。また枝葉にもクリシギゾウムシやゴマダラオトシブミ、ヤママユガの幼虫などが見られ、クリオオアブラムシが新芽をおおいつくすほど見られる場合もあります。黒い大型のアブラムシで、いつもアリに守られています。また「栗畑はマムシの巣だ」などと言われることもありますが、これは林床が湿度の高い草地であるためで、実際にヘビ類の良いすみかとなっている場所もあるようです。
イガだらけのクリの実。中にはまだ若い種子が詰まっています。
クリの花の強烈な臭いは遠くからでもよくわかります。初夏の頃に開花し、ミツバチやハナアブ類、カミキリムシやハナムグリなどの甲虫類がたくさん集まります。