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嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」

第5章:人家周辺の主な動物たち

第3節:桑園、クリ畑の動物たち

3.桑園の動物たち

青々と茂ったクワの葉。

 桑園には、クワの木を好む動物たちがたくさん集まってきます。農家の人たちにとっては、カイコにあげるための大切なクワです。ですからほかの生きものにそうやすやすとあげるわけにはいきません。ですが、カイコが食べることを考えると、むやみに消毒するわけにもいきません。この辺りの事情が、桑園の動物たちを繁栄させてきた原因なのかもしれません。
 最近では嵐山町の養蚕農家もほとんどが止めてしまい、そのため桑園も荒れたり減ったりしてしまいました。桑園を生活の場としていた生きものたちも、以前に比べるとたくさん見かけることは少なくなりました。たくさんいると困る生きものも、いざいなくなってしまうと、なんだかさみしい気がします。

クワコの幼虫の写真 嵐山町の桑園では、クワコの幼虫を発見することができます。見つけるのは容易ではありませんが、秋から春にかけての寒い時期、葉の落ちたクワを観察するとやや黄色味のある小型のまゆが見つかります。幼虫の姿は頭でっかちで、まるで栄養失調のカイコを連想させます。

クワコの成虫の写真 クワコ(クワゴとも呼ぶ)はカイコの野生種と考えられています。カイコは今から6,000年くらい前に中国で発見されたと言われています。そして約4,600年前にはすでに製糸、織物技術があったという資料が残っています。ちなみにクワコとカイコは交尾して子孫を残すことができます。
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キボシカミキリの写真 キボシカミキリも桑園の減少と共に、最近では出会う機会が少なくなりました。オスは触角がとても長く、体の倍以上の長さがあります。
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アメリカシロヒトリ

アメリカシロヒトリの巣網の写真 アメリカシロヒトリは第二次世界大戦直後、アメリカ軍の軍事物資と共に、北アメリカから侵入したと考えられているヒトリガの仲間です。和名の由来はそこにあります。クワを特に好むほか、サクラ、プラタナスなど、多くの樹木の葉を食べてしまいます。若い幼虫は葉を糸でつづった中に集まっているので、遠くからでも目立ちます。

トラフカミキリの写真
まるでスズメバチにそっくりのトラフカミキリ。弱ったクワの木に発生しますが、最近はめったに見かけなくなりました。