嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
COLUMN
9.コラム:盆棚
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水ぶけ茶碗
お盆中は、毎朝、お参りをするときに、束ねたみそはぎで、この茶碗の水を振りかけます。 -
掛軸
お盆用に掛軸がたくさんあり、十三仏をはじめ旅行先で購入したものも多く見受けられます。 -
ほおずき
現在もお盆の時期になると店頭に並ぶほおずき。
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盆花(ぼんばな)
盆棚の柱に括り付けられる場合もありますが、花瓶にさして両端に置かれることもあります。蓮の花は手に入る家は飾りました。 -
精霊様(しょうりょうさま)
子供の霊といわれます。茄子馬の背中に花を刺している家もあります。 -
行灯(あんどん)
お盆用の行灯。新しく紙を貼り直して使いました。同時に部屋の障子の張替えもしました。
色々な盆棚
嵐山町では組立て式の盆棚が多く見られますが、以前は四斗樽を台にしてその上に板を渡し、盆棚を作るところや、左右と背面に障子戸を使って盆棚を作るところなどもありました。
盆棚と一口に言っても、嵐山町内の家によっても少しずつ違いが見られます。勝田の田畑裕久さん宅の盆棚には、上段に寺からいただいた五色の「御盆供養幡(おぼんくようばた)」が飾られ(写真1)、大蔵の金井ろくさん宅では、自分の家で作った五色の紙が飾られています(写真2)。
お膳のいろいろ
お盆中に盆棚にあげられるお膳は、二膳一組で、朝はぼた餅、昼はうどん、夜はご飯というところは変わりませんが、各家によって少しずつ違いがあります。
勝田の田畑さんの家では、お盆の時だけに使うという、そば猪口(ちょこ)に似た器があります。お膳の真ん中に漬物を挟んで向かい合うように、ご飯と煮物を置いています(写真3)。また、たくさんの箸をお膳の上に向かい合っておいているのは、ご先祖様がたくさん来るからといわれ、一三組と決まっている家もあります。これらの箸は麻幹(おがら)やみそはぎを使い、お盆が終わると流しの下の地面にさしたといわれています。
一組のお膳に二組、そのお膳がまた二組と、多くの先祖の存在があって自分の存在があるということを感じさせられます。