嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
7.盆準備|家の行事
ご先祖様を迎えるために、八月十三日の午前中から準備が始まります。
山から盆花(ぼんばな)と呼ばれる萩(はぎ)・女郎花(おみなえし)・桔梗(ききょう)の他、竹・みそはぎなどを採ってきます。
萩や女郎花の枝や麻幹(おがら)でご先祖様が使う箸(はし)を新しく作り、茄子で馬を作ります。また、蓮(はす)の葉や里芋の葉を敷いた上に水ぶけ茶碗(水のはいった器)を置いて、毎朝水をかけて清めるように、みそはぎを束ねておきます。これらは盆棚に供えるものです。また、盆棚に使うチガヤの縄もないます。
新盆(あらぼん)の家は、八月一日から縁側の先に大きい提灯(ちょうちん)を飾り、毎晩灯(あかり)をともしてご先祖様を迎える準備をします。
盆花
【盆前の風景】
嵐山町では萩・女郎花・桔梗などが盆花といわれていますが、地域によってその花の種類は様々で、秋の草花から数種を選ぶというところもあります。
盆花という別名を持つ花は多く、弟切草(おとぎりそう)・百日紅(さるすべり)・千日草(せんにちそう)・曼珠沙華(まんじゅしゃげ)・禊萩(みそはぎ)などがあります。
また、十三日に盆棚を作る前に盆花を山に取りに行くのは、正月に松を取りに行くのと似ており、盆花や松は、祖霊や神の依り代として考えられていたと思われます。