嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
3.七夕2|家の行事
七夕の一日
七夕の前日にシンコ竹を切り、里芋の葉にたまった朝露ですった墨で五色の短冊に願い事や「七夕」「天の川」と書いて飾ります。里芋の葉の他に、稲の朝露を集め、これを大皿に入れて、その上にチガヤ二本を橋に渡し、この水で墨をすったという人もいます。他に、色紙で作った網や米の粉で作った丸い飾り物をつけたというところもあります。
竹飾りは、トボグチか縁側の天道柱にゆわえつけて飾り、その年に収穫した小豆のあんを入れたすまんじゅうを供えます。とうもろこしやさつまいも、すいかなど、この時期にとれた野菜の他、反物を供えた家もありました。
七夕の日は「朝まんじゅうに昼うどん」といって、朝からまんじゅうを食べ、昼にはゆでたいんげんや茄子をカテ(おかず)にしてうどんを食べました。
七日の夕方には、少し飾りを残したまま、川か沼に竹飾りを流したり、家で燃やしました。
以前は、カツモで作った七夕馬を竹竿にのせて飾った家もありましたが現在は行われていません。
七夕飾り
【盆前の風景】
七夕の飾りで代表的なのが短冊です。「五色の短冊」と歌われるように、緑・赤・黄・白・紫の五色の短冊を飾ります。
もう一つ代表的なものに網があります。三角に折り、さらに三等分に折ったところを鋏で交互に切り込みを入れて広げると、ちょうど網のようになります。この飾りには、実った作物を逃がさないようにという願いが込められています。この他には輪飾りや、丸く切った紙を次々とつなぎあわせて長くした飾りなどがあります。