嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
2.七夕1|家の行事
七夕は七月七日に行われることが多く、織姫と彦星が年に一度会える日としてよく知られていますが、盆行事の一つでもあります。七夕に墓掃除をするというのはそのためですし、竹飾りの笹は精霊(しょうりょう)の依り代としての意味があると考えられます。また、竹飾りを川に流すことや、「七夕には雨が降る」といわれている事からも、盆行事を始める前の禊(みそぎ)としての清めの意味がうかがわれます。
短冊や網で飾られた竹飾りは、天道柱(てんどうばしら)にくくり付けて飾られます。縁側には、とうもろこし、胡瓜(きゅうり)、茄子(なす)などの夏野菜の他、小麦まんじゅうや反物(たんもの)を供えて七夕を祝いました。
すまんじゅう
【盆前の風景】
小麦の収穫される六月以降の行事では、よくまんじゅうが登場します。
すまんじゅうは、麹(こうじ)の発酵を利用した食べ物です。蒸した小麦に種麹(たねこうじ)を混ぜて寝かせ、麹を作り、辛口の甘酒を作ります。絞ったその汁で小麦粉を練り、一晩置くとよく膨らむので、これを皮にして、あんこを入れて丸め、皮が発酵してきたら蒸籠(せいろう)に並べて強火で蒸します。嵐山には見られませんが、蒸さずにゆでた「ゆでまんじゅう」を七夕に食べるところもあります。