嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」
第4章:河川・池沼と田んぼに見られる主な動物たち
第3節 田んぼ、池沼の動物
10.草むらのコガネグモ
コガネグモのメス。脚を2本づつくっつけて"×字型"に静止して...全文
クモ合戦という伝承遊びで知られるコガネグモは、昔からよく知られている、もっともなじみのあるクモです。とても大きなクモで、遠くからでも目立ちます。昔の子供たちは虫採りの網が無かったので、このコガネグモやその仲間の巣を竹の木枠につけて、その網でセミなどを採りました。コガネグモがそれだけ身近にみられたクモだったのでしょう。なぜ「だった」のかというと、最近ではほとんどみることができなくなってしまったからです。もともと田んぼや農家の周辺などにすんでいたため、環境の変化と共に各地で絶えてしまったものと思われます。現在、嵐山町では南部地域を中心にわずかに生息地が残されており、貴重な存在となっています。コガネグモが田んぼの脇でじっと獲物を待つ姿は、まるで農村の変化をじっと見張っているかのようにも見えます。
コガネグモの埼玉県内における分布
黄色の部分が、コガネグモの記録された市町村です。昔はふつうにみられたといいますが...全文
コガネグモは田んぼ周辺の草むらにある背丈の高いアシやガマなどに大きな巣を張り、獲物がかかるのをじっと...全文