ページの先頭

嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】

5.雨乞いと水神様|村の行事,稲作の行事

入道雲|写真
夕立ちの来そうな夏の入道雲。

 丘陵地域の農業用水は溜池(ためいけ)に貯えられた天水に依存していました。そこで、日照りが続き、水不足になると各地で雨乞(あまご)いが行われました。町内各所には雨降りにご利益のある神社が祀られていて、また群馬県榛名神社へ祈願に出かけた地区もあります。
 古里ではかつては馬内(もうち)地区に祀られていた明トキ大明神(みょうときだいみょうじん)を中心に行っていました。熊谷市上之(かみの)の雷電神社(らいでんじんじゃ)からお水をいただいて来る間、残った者が鉦(かね)を叩き続けます。また、境内にある井戸で白鰻(うなぎ)をみつけて捕ると雨が降るといわれたそうです。
トキ=敵の字の右側が欠

五龍神社|写真 吉田にある五龍神社(ごりゅうじんじゃ)では、以前雨乞いには獅子舞をしました。

灯籠|写真 大山講の灯籠(とうろう)、これは石灯籠で木製の灯籠もあります。

明トキ大明神|写真 古里、明トキ大明神。現在では兵執神社の境内に合祀(ごうし)されています。

トキ=敵の字の右側が欠

雷電神社|写真 千手堂、大平山頂にある雷電神社。

溜池の分布|マップ ■溜池の分布 町内には160カ所を越える溜池が分布しています。そのうち、市野川以北に100カ所以上が集中します。

ひでり

【夏越しの風景】

 雨の日が何日も続くと、晴れることを願う天気祭りの行事が行われます。雨が降り続き温度が上がらないと凶作になりますが、「日照りに不作なし」といい、部分的に干害(かんがい)の被害があっても、全体的に見れば収穫が多くなるのです。しかし、晴れた日が続き、日照りになると、田植えができなくなったりするので、今度は雨乞いをすることになります。

ひでりの川|写真

万年泉|写真 万年泉。雨が降らなくて困った時に、雨乞いには、群馬県榛名町の榛名神社に行き、この泉の水を借りてきます。

竹筒|写真 竹筒。万年泉の水を入れ、この竹筒を村まで運び雨乞いをします。

大山阿夫利神社|写真 大山阿夫利神社、神奈川県伊勢原市の大山に鎮座し、大山祇神(おおやまつみのかみ)を本社に祀っています。雨降山(あぶりさん)ともいわれ、水の信仰が中心です。