周辺地域のフセギ
比企郡、入間郡内ではさまざまなフセギ行事が行われています。
東松山市石橋では、東西の境に桟俵(さんだわら)や男女の性器を模したものとサイコロを笹竹に下げます。また、都幾川村大附では、注連縄、サイコロ、星などが集落境に下げられます。そして、この他に神社などで出すお札も下げられます。星やサイコロは多くありませんが、男女の性器を模したものはしばしばみられます。
少し離れていますが、幸手市内には藁人形を立てるとか、幸手市、川口市などでは大きな藁蛇(わらへび)を作って地区境に置きます。
このようにさまざまな工夫をこらして、集落内に流行病などの悪いものが入らないようにしています。
幸手市下吉羽。4月に村境に蛇、人形、草鞋をおきます。
(写真提供:幸手市教育委員会)
滑川町伊古(いこ)、4月15日に、村境に笹竹を立て、大きな草鞋(わらじ)、打ち棒、お札をつけます。
(写真提供:県立民俗文化センター)
長瀞町。7月22日に近い日曜日に、オショウジンという行事において、村境に大きな草鞋と幣を付けた笹竹を立てます。
(写真提供:県立民俗文化センター)
吉田町福田(現 秩父市下吉田)、旧暦6月12日、秩父市太田との境の道の両側に笹竹を立て、縄を張り、その中央に穴のあいた草鞋とキリハライを下げます。
(写真提供:県立民俗文化センター)
都幾川村(現 ときがわ町)大附、7月25日。縄を渡し、男根、サイコロ、星、草鞋を下げます。
(写真提供:県立民俗文化センター)
岩槻市(現 さいたま市岩槻区)尾ケ崎。夏祈祷といい、7月2日に地区境に注連縄にマラ(男根)をさげたものを立てています。
(写真提供:県立民俗文化センター)
東松山市石橋。4月22日に地区の東西境には、笹竹に、大草鞋に注連縄、サイコロ、お札、紙垂(かみしで)、桟俵(さんだわら)をつけたものを立てます。
(写真提供:県立民俗文化センター)