嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
2.端午の節句|家の行事,現在の行事
五月五日は男の子の節句です。鯉のぼりや武将ののぼりを立てて子どものたくましい成長を願います。男の子が産まれると、初節句には母親の実家から鯉のぼりと武将や鍾馗様(しょうきさま)の描かれたのぼりが贈られました。のぼりには母方の実家の定紋(じょうもん)がつけられます。
また、この日は「菖蒲(しょうぶ)の節句」ともいわれ、菖蒲と蓬(よもぎ)(餅草)を母屋や蔵などの軒先にさして飾り、菖蒲湯を立てて入りました。菖蒲と蓬は子どもの腹痛や熱冷ましに効くので保存しておきました。
子どもたちは柏餅をたべたり、新聞紙で兜(かぶと)を作ったりして遊びました。
茅巻(ちまき)
【農繁期のはじまる風景】
ちまきは、「茅巻」と書きます。米の粉などを団子にして茅で巻いたものからきているようです。日本全体をみると、ちまきは主に西日本で作られていたようです。江戸時代に刊行された『守貞漫稿』には、京阪方面では男児が生まれると、親戚などへの祝いものとして、最初の端午の節句にはちまきを二年目には柏餅を配るのに対し、江戸では初年より柏餅を配る、とあります。
埼玉県では、両神村や小鹿野町などで、端午の節句にツトッコと呼ぶ一種のちまきを作ります。