嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
6.餅つき|家の行事
以前に比べれば餅を食べる量は減ったと言われますが、やはり正月には餅がつきものです。
正月飾りを作る日は餅つきをする日でもあったので、たいへん忙しい一日でした。やはり、一夜餅やクンチ餅はいけないと言われました。松飾りや注連飾りといっしょに家中の神様に供えるお供え餅のほかにも、親戚の家などに配ったり正月中に家族が食べるためののし餅も作るので、三升づきの臼で三回分か五回分ほどの餅をつきました。特に多い家では一俵(約六〇キログラム)もつきました。
お供え餅は年神様の分だけ大きく、残りは小さく作ります。家の神様すべてに供えるので五〜一〇重ねほど作ることになります。粟(あわ)・稗(ひえ)・もろこしなどの餅もつきましたが、神様に供えるのは餅米の餅です。
- 餅つき工程1
- 米を蒸す。竈(かまど)と蒸籠(せいろう)で餅にするための餅米を蒸す様子。
- 餅つき工程2
- 藁を敷く。藁を十文字に敷いた上に臼を置く。こうすると臼が動きません。
- 餅つき工程3
- 練り。蒸し上がった餅米を臼にあけ、杵で練る。この練りがよくできないとなめらかな餅になりません。
- 餅つき工程4
-
丸める。お供え餅にするため、餅を適当な大きさにちぎって丸めます。 - 餅つき工程5
- 餅を切る。ふつうに食べる餅は、麺棒でのし、一晩置いてから切り分けます。
- 餅つき工程6
- 辛み餅を作る。つきたての餅は辛み餅などにして食べるとおいしいものです。
- 餅つき工程7
- できたお供え餅がいっぱい。たくさんの神様に供える家ではお供え餅にする餅もたくさんになります。上お供えと下お供えを重ねて供えます。