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嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】

4.松飾り 注連飾り(しめかざり)|家の行事

飾られた門松|写真
飾られた門松。写真は再現したときのもので、三階松に真竹と榊を一緒に立ててあります。場所は鎌形の簾藤惣次郎さんの家。

注連飾り|写真 昔から作っていた注連飾りは、長さ40〜50センチメートルほどのもの。

 二十八日か三十日には家中の神様に餅を供え、松や注連縄(しめなわ)・弊束(へいそく)などを飾りました。すべて年男の役目です。年男は一家の主が務めます。飾る日については、一夜飾りはよくない、クンチ(二十九日)はよくないと言われます。門松は母屋(おもや)のトボグチ(入口)の正面に対になるように立てます。三階松か五階松に竹や榊(さかき)を添え、縄で松杭に結びつけました。太郎丸では神葬祭(しんそうさい)を行う家は三階松・竹・梅を、仏葬祭の家では三階松だけを門松にします。
 そのほか、トボグチや氏神様には注連縄に八丁注連を、恵比須様やオカマ様、井戸神様など家中の神様には弊束・松を飾ります。松はこの日の朝に山からとってきたもの、注連縄は収穫したばかりの稲藁(いなわら)でなったものです。
 このような正月飾りは、飾る場所は減っても今でも行われています。

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再現1|写真 松を迎える。年男が恵方の方角の山に出かけて取ってきたものです。芯松を使う慣わしでしたが、第二次大戦後には指導により枝松を使うようになりました。一連の写真は深沢長男さんと高瀬嘉一さんに再現してもらったときのものです。
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再現2|写真 注連飾りを作る工程・再現。秋に収穫したばかりの稲藁で注連縄をなう様子。
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再現3|写真 三階松にイッソと呼ばれる注連縄を巻きつけます。
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再現4|写真 あらかじめ打っておいた松杭に松を縄でくくりつけます。

トボグチの八丁注連と幣束|写真 鎌形の簾藤惣次郎さんの家のトボグチには八丁注連と幣束が供えられています。八丁注連は、3尋半ほどの注連縄に8本の幣束を下げたもの。

氏神様|写真 古里の安藤 武さんの家の氏神様。松葉を添えた注連飾りと幣束が供えられています。