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嵐山町web博物誌・第3巻「嵐山ジオロジア」

第2節:地形とくらし

3.大蔵の段丘と遺跡

笛吹峠〜大蔵の段丘地形

笛吹峠から大蔵に向い旧鎌倉街道を北上すると、坂と平らなところを繰り返す階段状の地形になっていることに気づきます。

将軍沢の集落のあたりでは比較的平らな地形となっています。よく見ると、笛吹峠から大蔵にかけては5〜6段の階段状の地形となっています。

これは、都幾川やその支流が大地を削って作った河岸段丘(段丘地形)と呼ばれる地形です。

一般的に、河岸段丘は高い平坦面ほど古い時代に出来たものです。この付近で最も古い時代のものは笛吹峠面です。

笛吹峠〜都幾川の模式断面図
笛吹峠〜都幾川の模式断面図

大蔵面の利用と遺跡

大蔵1面の縁辺部に行司免遺跡があり、井戸跡が見つかっています。これは、基盤(新第三紀層)の上の段丘礫層を流れる地下水面まで井戸を掘り、利用したものです。

大蔵1面は、段丘礫層の地下水も利用でき、都幾川から一定の高さがあるため洪水でも浸水しにくいため、暮らしやすい場所だったと考えられてます。

行司免遺跡遠景|写真
行司免遺跡遠景

中央部が行司免遺跡の発掘地。右上が大蔵の集落です。

第2節:地形とくらし