嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
6.七草｜家の行事
七草粥と入れる野菜。食べるときに使う箸は、5日のうちに木を切ってきて作り、6日まで神棚に供えておきます。
一月七日は七日正月とも七草ともいい、朝に七草粥（ななくさがゆ）をつくり、神様に供えるとともに自分たちもいただきます。これを食べると一年間無病息災（むびょうそくさい）で過ごせると言われます。大根・蕪（かぶ）・里芋・人参・小松菜などの野菜と七草とよばれる野草（薺〈なずな〉のこと）、あわせて七種類の実を入れました。それまで神様に供えていたものも入れました。野菜を刻むときに「七草なずな唐土の鳥が日本の土地へ渡らぬうちに七草たたけ、トントントン」と唱える家もあります。また、七草は一月五日に採っておくようにいわれ、使うまでつけておいた水は爪につけると爪の怪我をしないとされました。
また、「大正月は七日まで」といい、松飾りを片付けました。門松も八日には抜いてしまい、門松の先端の部分だけを残して杭の跡の穴に立てておきました。
嵐山町で七草と呼ばれる野草。薺のことです。
春の七草とは、芹（せり）・薺（なずな）・ごぎょう・はこべら・仏の座・鈴菜（すずな）・清白（すずしろ）の七種の菜をいいます。イラスト：田畑 修