嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
2.元旦|村の行事,家の行事
元日の朝は、年男は家族の誰よりも早起きをし、風呂に入って身体を清めた後、井戸から若水(わかみず=初水ともいう)を汲みました。このときに使う手桶(ておけ)と柄杓(ひしゃく)は新しいものにします。これを年神様をはじめとする神様へ供える煮物やお茶に使います。若水汲みを終えると、神様に灯明(とうみょう)とお茶を供えます。それから朝のお供え物を作ります。お供え物は、餅を入れる前の雑煮の実です。
また、元旦祭と称して、氏子が神社に集まり新年のあいさつをするところもあります。それが終わるとたいてい新年会を行います。
初正月
【大正月の風景】
子どもが生まれて初めて迎える正月を、初正月といいます。初正月には母親(嫁)の実家や親類、仲人からお祝いの品物が届けられます。男の子には破魔弓、女の子には羽子板です。また、掛軸(弓破魔と呼んだ)を贈る習慣がありました。絵柄は男の子には加藤清正などの武将もの、女の子にはお姫様など女の子らしいものでした。贈られたものは正月中座敷に飾ります。