嵐山町web博物誌・第3巻「嵐山ジオロジア」
第1節:古い地層や岩石―約2300万年以前
3.嵐山町の中央構造線
嵐山町の領家帯と三波川帯の分布
上の写真は小川町の四津山(よつやま)から奈良梨(ならなし)の谷を撮影した写真です。
送電線に沿って奈良梨の谷が直線上に伸びていることがよくわかります。
また、次の写真は奈良梨の上空から南方向に撮影した航空写真です。写真の中央を流れる市野川の左側(東側)には丘陵が続いています。
周囲の地質から考えて、この谷には大きな断層があると推定されており、奈良梨断層とよばれています。
この写真の左上(南東)には、粕川の谷が見えています。その川沿いに、太郎丸深成変成岩類が分布しています。
これは西南日本の領家帯の東方延長部と考えられています。
一方、写真の右側(西側)の外秩父山地には、三波川帯の結晶片岩が分布しています。西南日本において、三波川帯と領家帯の間には中央構造線という第一級の大断層があります。
関東山地では、奈良梨断層がこの中央構造線の延長にあたると考えられています。
なお、この奈良梨断層は少なくともここ数万年は活動していません。
第1節:古い地層や岩石―約2300万年以前