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嵐山町web博物誌・第3巻「嵐山ジオロジア」

第1節:古い地層や岩石―約2300万年以前

1.嵐山町最古の岩石

約2億5千万年前の岩石 〜 金勝山石英せん緑岩 〜

金勝山石英せん緑岩がつくる山|写真
A金勝山石英せん緑岩がつくる山(嵐山町志賀)

金勝山の位置|地図
金勝山の位置

金勝山石英せん緑岩の分布|地図
金勝山石英せん緑岩の分布
嵐山町の志賀から平沢の山には、石英せん緑岩が、広いところで400m、狭いところで50mの幅で分布しています。
同様の岩石は小川町の金勝山周辺に広く分布するため、金勝山石英せん緑岩(きんしょうざんせきえい - りょくがん)と呼ばれています。

この岩石ができた年代は約2億5千万年前(古生代ペルム紀後期)で、嵐山町では最も古い岩石です。しかし、関東山地全体ではもっと古い岩石も知られています。
この金勝山石英せん緑岩は、元々あった場所から断層活動で移動してきたものと考えられています。

石英せん緑岩の特徴

石英せん緑岩|写真石英せん緑岩

石英せん緑岩は、白っぽい粒と黒っぽい粒の「ごま塩状」に見えます。白は斜長石(しゃちょうせき)、灰色は石英、黒く見える部分は角閃石(かくせんせき)です。
一つひとつの粒の結晶が肉眼で見えるくらい大きく、地下深くでマグマがゆっくり冷えてできた深成岩の一種です。場所により結晶が細かい部分もあります。
また、アプライトと呼ばれる白っぽい岩石が脈状に入ることもあります。

嵐山町の金勝山石英せん緑岩
嵐山町の金勝山石英せん緑岩|写真 B嵐山町の志賀笹山付近で見られる石英せん緑岩です。
前の写真より結晶の粒が細かいため、見かけがやや異なります。褐色は風化している部分です。
金勝山石英せん緑岩に貫入するアプライト岩脈
金勝山石英せん緑岩に貫入するアプライト岩脈|写真 埼玉県立小川げんきプラザ(小川町)の金勝山石英せん緑岩に貫入するアプライト岩脈で、中央の白っぽい部分がアプライトです。
この中には時々、赤〜ピンク色をした小さいガーネット(ザクロ石)という鉱物が見られることもあります。
第1節:古い地層や岩石―約2300万年以前