嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」
第5章:人家周辺の主な動物たち
第6節:子どもの遊びと動物
2.釣り遊び
〜川での遊びは自然を理解する近みちです。〜
子どもたちの遊びと言えば、釣りもそうでしょう。川魚を釣って遊ぶのは、大人もいっしょになって楽しめます。オイカワやウグイなど、いわゆる“雑魚”を釣るには、さまざまな漁法があります。最近の雑魚釣りは、玉ウキや発砲ウキを使った「フカセ釣り」や「流し釣り」などで、昔の「たたき釣り」などとはだいぶ方法が変わってきました。エサとしては川虫や練り餌を使います。また、フライ(毛ばり)釣りで雑魚をねらう人もいます。
ザリガニ釣りも子どもたちに人気の遊びでした。池沼や細い水路などで、手作りのさおにタコ糸をつけた仕掛けで、エサはやはりスルメでしょうか。釣ったザリガニはけんかさせて遊んだりもしました。ときには大きなハサミに指をはさまれて、痛い思いをしたこともあったでしょう。
乾燥スルメイカの足や小魚の煮干、あるいはカエルをエサにして、子供たちがザリガニ釣りに夢中です。アメリカザリガニがいるのは、谷津田の奥にある池沼や、水路、あるいは公園の池などさまざまです。ザリガニ釣りの際は足元に気をつけましょう。
アメリカザリガニは「エビガニ」とも呼ばれ、大きな個体は体が赤く、ハサミも大きくなり「マッカチン」と区別して呼ばれます。田んぼではあぜにあなをあけ水を抜いてしまうので、農業関係者からは敬遠されますが、子供たちには昔から人気者です。
釣れた川魚。夕方には魚たちがエサを求めて...全文
清流でオイカワやウグイを釣る方法は、伝統的な「たたき釣り」と呼ばれる方法が行われていました。これは、カイコのさなぎや米ぬかなどを寄せ餌にして、竿には疑似餌(ぎじえ)としてビーズ玉をつけて、水面をたたくようにして釣り上げます。釣り人は下流に向かって立ち、流れのゆるやかな場所にエサをまいて魚を集めて釣ります。この釣法は「蚊ばり釣り」に似ていますが、魚をエサで集めて釣るのは中流の養蚕が盛んな地域で使われていた釣法です。
だれでも簡単に楽しめる方法としては、川の下流に向かって立ち、川虫をエサにして竿ごと下流に送り込みながらあたりをとるみゃく釣りもあります。この方法は昔は「アンマ釣り」と呼ばれ、良くつれていたことを思い出します。