嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」
第5章:人家周辺の主な動物たち
第4節:動物の利用
2.ミツバチ・養蜂
花の蜜を吸うセイヨウミツバチの働き蜂。後ろ足に花粉のかたまりがついているのが見えます。
巣箱を盛んに出入りする、セイヨウミツバチ。
甘くておいしいハチミツ。お湯に溶かして飲んだり、パンに塗って食べたり、料理の味付けに使ったり・・・。このハチミツがミツバチという昆虫により集められていることは、だれでも知っていることでしょう。
日本には昔から野生のニホンミツバチという種がいて、昔はそれを飼っていました。いまでもわずかに飼っている人がいるようですが、現在は養蜂といえば、扱いやすいセイヨウミツバチを飼うのが主体です。古代エジプトでもすでに飼われていたヨーロッパ原産の種で、同じセイヨウミツバチでもいくつかの系統があります。
ミツバチは1匹の女王蜂と数万の働き蜂で群れをつくって暮らしており、必要に応じて数百匹のオスがつくられます。女王は王台という特別な部屋でローヤルゼリーを与えられて育ちます。働き蜂もメスですが、花粉で育ち、ふつうは卵を産めません。
ニホンミツバチとセイヨウミツバチの違い
ニホンミツバチ(上)とセイヨウミツバチ(下)の左後ばね
巣の中ではいずれ新しい女王も誕生しますが、この新女王が羽化する以前に、古い女王は半数の働き蜂を引き連れて巣分かれします。その後、この巣は新しい女王が引きつぎます。密源が豊富で巣の勢いがあると、年に何回も巣分かれが起こります。
蜜は成虫の食料です。巣分かれするときに、働き蜂は貯えられていた蜜を腹いっぱいに吸っていきます。冬も巣内の温度を一定に保つために、筋肉を動かして発熱しており、そのための食料として蜜を貯えるのです。最大の敵はオオスズメバチで、巣が全滅させられることがよくあります。ニホンミツバチは撃退する方法を知っていて、やられることがありません。
養蜂の大敵であるオオスズメバチなどをさけるため、箱の近くにこのようなわなをしかけ、スズメバチを捕らえています。