嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」
第4章:河川・池沼と田んぼに見られる主な動物たち
第2節 水辺、河原に見られる動物
9.河畔林の動物たち
まるであふれんばかりに咲いているニセアカシアの花。天ぷらにして食べられます。
この時期になると、ハイキングに絶好の日よりが続きます。都幾川の土手を歩いてゆく脇にはニセアカシアの林が広がっています。 新緑の美しい5月、鯉のぼりが見られるころになると、河畔林では一面白い花におおわれます。ニセアカシア(ハリエンジュ)の花です。この花の豊富な蜜は動物たちを呼び寄せます。もっともよく目にするのはミツバチで、盛んに花の中に頭を差し入れています。湿地状の河畔林にはヤナギの木が生えていますが、これも初夏には房状の花をつけます。樹皮が全身トゲにおおわれたサイカチの木も、夏の頃には目立たない花が咲きます。これらの花にはたくさんの昆虫があつまり、河畔林をにぎわせています。こうした虫たちを花のかげでねらっているのがジョウカイボン。ホタルに近い仲間で、他の生きものを捕らえて食べます。また、雑木林の樹上などにもよく見られます。花の美しさもさることながら、そこで繰り広げられる小さな生きものたちの暮らしぶりをのぞいてみるのも楽しいものです。
ニセアカシアの花にもミツバチがよく訪れます。よく聞く「アカシアのハチミツ」のアカシアとは、実はこのニセアカシアのこと。ミツバチにとっては、レンゲと並んで重要な蜜源のようです。