嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」
第3章:草むらの主な動物たち
第1節:山すそや路ぼうの草むら
7.ハルジオンの花に来る昆虫類
花の上をすれすれに、鮮やかな青のアオスジアゲハが飛んでいきます。せわしくハネを振るわせながら蜜を吸っていて、近づいても逃げる様子がありません。水辺で吸水することもあり、嵐山町ではどこにでもよく見られるチョウです。
草地をおおいつくすハルジオンの花には、じつにたくさんの昆虫がおとずれます。ハルジオンが終わったあともたいへんよく似たヒメジョオンが同じように咲き誇り、春から夏にかけての草地は昆虫たちの大活躍の場となります。ハナムグリ類やハナアブ類、チョウの仲間や小さなハチなどいったいどのくらいの種類がきているのかわからないほどです。ここでは町内でよく見られる代表的なものについて、紹介します。
5月、ハルジオンの花が咲き乱れる草地にはハナムグリ類がたくさん飛んできます。緑や赤の地色に黄色い星がちりばめられたコアオハナムグリと黒地に大きな紋のあるクロハナムグリは特に多く、花粉を食べるために花の上でもぞもぞしています。
ジガバチはまず地面にあなを掘り、1室が完成すると入口を仮に閉鎖して、狩りにでかけます。獲物はガの幼虫の青虫で、麻酔して運んできます。これをあなに引き入れて産卵し、こんどはしっかりと入り口を閉じます。花にくるのは自分の食事として蜜をなめるためです。