嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
7.盆送り|家の行事
「迎えは早く、送りは遅く」といい、なるべく遅く送るのがいいとされています。
盆棚にはご先祖様が荷物を結わくのに使うようにと「ショイナワ(背負い縄)うどん」を吊るし、お茶を供えた後、盆棚を解体します。供物は束にして茣蓙(ござ)に包み、土産団子(みやげだんご)とか送り団子と呼ばれる米の粉の団子を持って、こんばん提灯に灯をともし、墓へ向かい、送り盆をします。墓地でこんばん提灯(昔は小麦殻の松明〈たいまつ〉)を持って墓を一回りして、花や土産団子を供えてから火を消します。帰り道は、うしろを振り向かずに帰ってきたといいます。
墓に行く前に、カイドウ(家の前の道)で火を焚いて門送りをするという家もあります。
盆ガラ
【盆の風景】
「正月と盆の十六日は仕事のないようにしておけ」とか「カギッツルシ(鈎竹・自在鈎〈じざいかき〉)も休ませろ」といいます。盆の明けた十六日には盆ガラといって一日休むことになっていました。
また、この日にジオウメシ(十王めし)といわれる小豆飯を仏壇に供えました。ジオウとは「十王様」のことで、小正月の十六日にも同じようにジオウメシが作られました。