嵐山町web博物誌・第5巻「嵐山町の中世」
2.阿弥陀信仰
貴族から庶民まで、その信仰は大きな支えとなりました。
約束される極楽往生(ごくらくおうじょう)
仏教の宗派の中でも、浄土教は、信仰を深めることで、死後は阿弥陀の導きにより極楽浄土に迎えられると説くものです。それまでの仏教は、加持祈祷(かじきとうとう)によって病気の回復など、目の前の問題を解決しようとするものでした。しかし、末法に入ってしまったら、今がどんなによくなろうと来世の保証など、どこにもありません。ところが、浄土教は、日々阿弥陀の名を口にし、その姿を心に描けば、極楽往生が約束されるというのです。
末法の世から救われるため、そして地獄の恐怖から逃れるために、人々は貴族から庶民に至るまで、こぞって阿弥陀仏にすがったのです。