嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」
第5章:人家周辺の主な動物たち
第2節:神社、学校などの動物たち
3.学校の周囲に見られる動物たち
菅谷小学校正門のところにあるクスノキ。植えてから20年以上たちますが、毎年アオスジアゲハが発生しているようです。木が小さいときは、手を伸ばせば枝についている幼虫を捕まえることもできたので、当時の児童は教室で幼虫を飼ったりもしました。
学校のまわりはいつもきれいにされているため、あまり生きものがいるようには思えません。ウサギやなにかを飼っていれば話は別ですが、それ以外にはあまり目にしないでしょう。
でも、学校というところは意外と生きものがいる場所で、よく探してみるといろいろなものが生活しているのがわかります。クスノキなど植えてあるのをよく見かけますが、この枝にはアオスジアゲハの幼虫がいます。また、かんきつ類があれば他のアゲハ類もおとずれます。プールのある学校では、冬季にプールを使用していないときには、この水中にさまざまな生きものがやってきて、一時的な生活の場として利用されています。小鳥も人家周辺で見られるものと同様の種が、ふつうに見られます。
こうした生きものたちに注目し、学校のみんなで調べてみるのもおもしろいものです。身近な生きものたちのことを知っていれば、より自然に親しむ機会も増えることでしょう。
- 水泳用のプールも冬季には使用されないことが多いので、野外であればいろいろな生きものが見られます。水底を網ですくうと、トビケラ類の幼虫やゲンゴロウ類、あるいはアマガエルの成体などが出てくることもあります。気温が上がり生きものたちの活動が盛んになると、アメンボなども多くおとずれるようになります。
住宅街でも良く見かけるアオスジアゲハ。植樹のクスノキやヤブニッケイなどは街路樹として用いられることが多く、そのためアオスジアゲハも分布を広げています。
クスノキの葉についていたアオスジアゲハの幼虫。葉の色によく似ており、一見区別がつきにくいようです。触るとアゲハチョウの幼虫特有の「肉角」を出して、臭いが周囲にただよいます。
(写真提供:杉田正之氏)