嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」
第1章:嵐山町の動物たち
第2節:嵐山町の動物相概要
5.嵐山町で確認された、ごくまれに見られる動物
ときどき、その地域ではふだん見かけない動物に出会うことがあります。これらの大部分は他の地域にすむ動物たちで、台風や季節風などに飛ばされて移動して来たり、世界各地を動きまわる人間や荷物にまぎれ込んで移動して来たものと考えられます。移動してきた動物たちの中には、この地域の環境条件に耐えられず、まもなく死んでしまうものもいます。環境に耐えられても、繁殖できなかったものは一代限りでやがて死滅してしまいます。環境に耐え、繁殖して子孫を残すことが出来たものだけが、ここにすみつくようになるのです。 嵐山町博物誌の調査では、こうした「ごくまれに見られる動物」がいくつか見つかりました。中には最近になって南方から分布を広げつつあり、そのうち嵐山町にもすみついてしまうのではないかという動物も確認されています。ここではそうした動物たちについて、その一部を紹介します。
都幾川二瀬近くの田んぼにマガンの群れが飛来したのは2001年1月15日のことです。この年の大雪によるエサ不足のため南下してきたものと思われます。ここでは40羽ほどが確認され、さらに県北部の北川辺町(現・加須市)では100羽以上もの群れが飛来していたようです。1950年代までは比企地方にもよく飛来したそうですが、最近ではとてもめずらしいことです。